かくれんぼ / Hide-and-seek
気ままに綴る写真絵日記です。
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『親日国』の幻想

さて、足はトプカプ宮殿に向いておりましたが、
前方から歩いてくる日本語を話す現地の青年に呼び止められました。
何を話したかはよく覚えていません。
日本語と英語を織り交ぜながら、少し立ち話をしてから、
彼に誘われるまま、方向転換して彼の後についていきました。

着いた先は、彼が働いている絨毯屋でした。

一応、ガイドブックで簡単にトラブル情報は読んでいましたが、
見事に引っかかってしまいました。
つまり、彼は絨毯屋の客引きだったのです。
業者によっては、巧妙な手口で法外な金額を毟り取る者もいるとか。

幸い、彼は比較的良心的な人物のようではあったし、
僕もまぁ、イスラムの絨毯に興味はありましたから、
350 USドルで畳 1 枚分のサイズの絨毯 1 枚をカード決済で買いました。
ちゃんとレシートに記載された金額と通貨単位もチェックしましたよ。
多分、騙されてはいないと思います。

絨毯は柔らかくて小さく畳めるので、
スーツケースに入れられるサイズに畳んで包んでもらい、
さぁ、これ以上は買わないからね、退散退散、と思ってたら、
いきなり彼の父を名乗る日本語堪能な店主が登場し、彼とバトンタッチ。

イスラム文化に興味を持っているこちらの気持ちにつけ込んで、
勉強させてあげると甘言で誘いつつ、巧みに商談に持ち込んできました。
もう買う気はないといくら言っても聞く耳を持ちません。
買う買わないのやり取りを何度も繰り返して、
このしつこさにいい加減腹が立ってきました。

「買わん、いうたら買わん!」

というわけで店を出まして、改めてトプカプ宮殿に向かいましたが、
どうにもイライラが収まらず、
宮殿に入っても華やかなトルコ王朝の雰囲気になかなか浸れませんでした。
ひどく損した気分です。

まぁそれでも、数々の宝物やイスラム建築を一通り鑑賞してきました。
やっぱりイスラム文化は宝石やガラスを使ったキラキラ装飾が好きみたいで、
日本の侘び寂び的なシブーい工芸とは随分違う世界です。

トプカプ宮殿では修復のためか、一部の建物は入ることができなくなっていました。
その修復作業の様子を見ていてふと気づいたのですが、

修復作業

修復作業をしているのは女性ばかりなのです。
たまたまその時女性だけだったのかもしれませんが、
女性が外で働くことを良しとしないイスラム教の国も少なくない中、
トルコは非常に進歩的な考え方のできる国で、
女性もわりとカジュアルな服装で、観光客の前でもこうして普通に働いていて、
こういう部分では大変好感の持てる国です。

さて、トプカプ宮殿を出て、今度はグランドバザールに行ってみようと歩いていたら、
次から次に声をかけてくる者がいます。

「君は日本人か? 韓国人か?」

えぇい、うっとうしい。無視です、無視。

それでも、なんか頑張って英語で声をかけてくる青年がいました。
「何か売りつけるつもりなら、僕は何も買わないよ。」
って言っても、いや、自分は英語を勉強中で、英会話の練習をしたいだけなんだ、
みたいなことを言いますが、アジア人を相手に英会話の練習もないもんだろうと、
不審に思いつつ、とにかく足を止めるとやばいので、
すたすた歩きながら彼の『英会話の練習』につきあってやりました。
彼曰く、親族が日本にいて、自分もいずれ日本に行って、京都に住みたい、とのこと。
なら、学ぶべきは英語でなく日本語でしょうに。
そして彼が、次はどこへ行くんだ? アヤソフィア博物館か? と訊くので、
いいや、アヤソフィアに行く時間はない、これからグランドバザールに行くんだ、
と答えると、彼は懇切丁寧に道順を教えてくれてから去っていきました。
まぁ、こういう人の良さは評価したいのですがねぇ。

実際、先の絨毯屋で長時間足止めされたせいで、
もうアヤソフィアに行くだけの時間の余裕はありませんでした。
計画が台無しです。

そんなこんなでグランドバザールに到着しました。

グランドバザールの出入口

中に入ってみましょう。

グランドバザール

アーケードの中は、縦横に細い道が交差して、
道の両側はぎっしりいろいろな店が軒を連ねています。
高級ブランドショップがあるかと思えば、
雑貨屋、服屋、服飾品屋、民芸品屋、宝石店、古本屋など、実に多種多様です。
でも、僕のお目当ては、

ランプ屋

トルコのランプです。
テレビで見て、そのデザインの美しさに魅せられて、
これを買うためにこの歴史の古い巨大な市場を訪れたわけです。

いくつもあるランプ屋の中の一つに入って品物を物色していましたが、
スーツケースはもう大きな物を入れられるスペースの余裕はありませんので、
一番小さなテーブルランプを買いました。
但し、コンセントプラグの形状が日本とは違うので、
アダプターを日本に帰ってから買わないといけません。

よしよし、取り敢えずここに来た目的は達成したぞと、
ついでにバザールの中をぶらぶら歩いているうちに、
帰るべき道を見失ってしまいました。

ガイドブックにも書いてありました。
グランドバザールは巨大すぎて迷子になると。

えぇ、お約束通り、道に迷ってしまいましたとも。

ガイドブックの地図を見ながら歩いても、
あまりにも中が複雑すぎて、全然違う方向へ進んでいたりするし、
通りの名が書いてある標識もトルコ語だからチンプンカンプンだし、
さんざん迷いに迷った末に、くたくたになって元のゲートに戻ってきました。

もう、疲れましたので、路面電車に乗って空港に戻ろうと、
スルタンアフメット駅の近くまで来ました。もう既に日没です。

日没後の薄明かりの中、向こうから青年が訛の強い英語で何かを尋ねてきました。
何を言っているのかよく解らないので、適当に答えていると、
そのうち自己紹介をし始めて、
自分は旅行中のイタリア人なんだ、同じ旅行者と親しく話ができて嬉しい、
なんて言って、握手を求めてきました。
そして、雨の中で立ち話もなんだし、すぐ近くで従兄弟が店をやっているので、
そこへ行って話の続きをしないか、と彼は言いました。
まぁ、飛行機の出発時刻までまだだいぶん余裕がありますし、
少しくらいなら、と思ってついていきました。

油断しました。

随分歩かされて着いた先はまたしても、絨毯屋でした。
頭に血が上って、絨毯なんかもう買わねぇー! と言い放って出てきました。

イスタンブールでは、こうした旅行者を騙って客引きをする者もいるようです。
中には、現地人と結託して日本人旅行者をカモにする日本人までいるようです。
客引きだけならまだしも、ぼったくりバーに連れ込んで、
尻の毛まで毟り取る者までおり、被害者が続出しているそうです。

最悪です。
トルコは親日国、なんて甘い幻想を抱いてはいけないようです。
少なくとも、一人歩きは絶対してはいけないとつくづく思いました。
こんなところで、オリンピックを開催しようなんてとんでもない話です。
2020 年の夏のオリンピックの開催候補地に、
イスタンブール、マドリッド、東京が名乗りを上げていますが、
こういった現状を改善しない限り、
イスタンブールにオリンピック招致なんてしちゃ駄目です。

あー、むしゃくしゃする、と思ってたら、雨まで降ってきました。

再び路面電車の駅に向かってブルーモスクの前を通ると、

夜のブルーモスク

広場の噴水の背景にライトアップされたブルーモスクが浮かび上がり、
なんとも幻想的な雰囲気に包まれていました。

でももう、雨も降ってるし、町のあちこちにあるモスクのスピーカーから、
それぞれ好き勝手にものすごい大音響でイスラムのお経を流してるし、
あぁ、もうとっとと空港に戻ろう、と駅まで来ましたが、
券売機がありません。はて、どうしたものかと思案していると、
傘売りの兄さんが声をかけてきました。

「いや、傘は要らないんだ。それより切符はどこで買えばいいんだ?」

と訊くと、すぐそばに立っていた年配男性が、俺についてこいと言って、
自分のプリペイドカードで改札を通してくれました。
おぉ、なんたる親切! サンキューベリーマッチと言ってると、
彼は 3 リラよこせ、と手を出しました。
まぁ、そりゃそうですね。
でも、残念なことに小銭がないので、5 リラ札を渡して、
おつりはいいんだ、受け取ってくれ、と言いましたが、
彼はそれを良しとせず、いいやだめだ、と言って 2 リラを返してくれました。

金の亡者的な客引きが跋扈しているかと思えば、
こんな正直者な人もいるんですよね。イスタンブールって。

その後、空港には何事もなく無事に到着し、
深夜の便でトルコを発ちました。くたびれました。

イスタンブール。
感動と怒りとがっかりが入り交じり、
なんとももやもやした印象を残す町でした。
また行きたいかと問われれば、
もう当分は行きたくねぇ、と答えたいです。

おしまい

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